愛の考察──もう勇者しない編──
扉を開けて
さて、長らく放置していたこのシリーズをいい加減完成させようと思う。
最後に紹介したいゲームはラブデリックの「moon」である。
このゲームの主人公は、ゲームの世界に迷い込んでしまったあなた。
ついさっきまで動かしていたユウシャは、野生動物を殺していくキチガイ扱いされている
そんな中眠りにつくと、夢の中である女性に出会い、「私たちのところに来て、扉を開けてほしい」と言われる。同時に、それにはラブを集める必要がある、とも。
翌朝、スライムが殺される場面を目撃した主人公の元にムツジローなる人物が現れ、スライムは無害であったこと、殺された彼らを、さまよう魂を捕まえることで助けてあげてほしいことを伝えられる。
そうして主人公のラブを探す冒険が始まるのである。
そんな訳でこのゲームはラブを集めることが目的、という何とも変わったゲームである。
モンスターを助けたり、人助けをしたりはもちろんの事、住民の秘密を見てしまったり、梟の授業を受けたり、奥さんのへそくりを見つけたり…
とても個性的なキャラクターたち
彼らは普段は素っ気ないように見えて、ふとした時に優しさが垣間見える。
ある偏屈な博士に根気強く話しかけていると、夜に彼の夢について語ってくれる。
みんなには馬鹿げていると笑われても、夢を捨てるつもりは無いと語る博士は最後に、「これが私のラブである」と締めくくるのである。
ストーリーの途中、彼の指定する部品を集めて持っていくのだが、代替品を持っていく度に「鼻くそたれ スットコドッコイ パープリン」と罵倒するような人だったため、見直すというか、不思議な、でも嫌じゃない気持ちになったことをよく覚えている。(まぁ燃料と言われてスピリタス並の酒を持ってくる主人公もどうかと思うが)
他にもこんなのでラブが貰えるのか、というイベントが多数ある。
初めてこのゲームをプレイしたのは小学生の頃だったが、こんなのラブじゃない、と思ったこともある。
しかし、博士の言葉を聞いて、子供ながらにラブは人それぞれなのかと思ったものだ。
まだまだ語りたいことはあるが、それはまたの機会にしよう。
今回紹介したmoonというゲーム、このゲームの愛は、人それぞれの愛だろう。
次回はまとめ編。